犬と猫の身体的特徴

犬と猫は、人間と身体の構造が異なります。

 

【腸内細菌叢】
一般的に善玉菌といわれる「ビフィズス菌・乳酸桿菌・乳酸球菌」は、消化吸収を高める他にも、感染や有害菌を抑制し、ビタミンやたんぱく質の合成を促します。
人間の場合は「ビフィズス菌」が優勢な「ビフィド型動物」、犬の場合は「乳酸桿菌」が優勢な「ラクト型動物」です。しかし猫に関しては「ビフィズス菌」も「乳酸桿菌」もほとんど検出されません。人間にとって増やした方が健康に良いとされる「ビフィズス菌」も、猫には必要ないということです。
そもそも「ビフィズス菌」の多い人間は、食べ物によってビフィズス菌を増やすことができるから、他の動物よりも寿命が長いと言われています。

 

【脂肪酸】
身体の働きを調整したり、エネルギーや細胞を作り出したり、免疫力を高めたり、酸素やホルモンの働き助けたり、身体の老化を防ぐ「生理活性物質」というものがあります。
この生理活性物質の前駆体(物質になる前の状態)がリノール酸やα―リノレン酸などの必須脂肪酸ですが、人間を含む動物は全てこの成分を体内で作り出すことができません。
リノール酸がアラキドン酸を介して「生理活性物質(プロスタグラジンE2)」という物質になるのですが、猫は「アラキドン酸」の合成能力が低いので、妊娠期や成長期には特に必要な成分です。
神経機能に重要なオメガ3脂肪酸(EPAやDHA)はα―リノレン酸の代謝により合成されるますが、犬も猫もこの合成能力が低い動物です。
 リノール酸→アラキドン酸へ代謝
 α-リノレン酸→EPA・DHAへ代謝 
この2つには同じ酵素が使われますが、リノール酸が過剰な時は「EPA・DHAの合成能力」が低下するので、多めに摂取することが必要となります。

 

【ビタミン】
皮膚や粘膜の健康維持、抗酸化作用が高いβカロテンは体内で「ビタミンA」へ変わりますが、猫や犬はこの「変換するための酵素」をもっていません。
ビタミンDも「動物が合成するビタミンD3」は、皮膚に注がれる紫外線によって合成されますが、犬や猫は合成量が少ないという特徴があります。
ビタミンCは、人間と違って犬や猫は体内で作り出すことができます。しかし、ビタミンCは暑さによって、酸化ストレスが増えると体内でのビタミンC消費量が高まります。合成できる動物でも、酷暑の時期などは摂取が必要となります。

【尿素】
アンモニアから尿素を生成する物質に「シトルリン」と「アルギニン」があります。
「シトルリン」は小腸で「グルタミン酸」から合成されますが、猫はこの合成能力が低いため、「アルギニン」が必要となります。鶏や豚、まぐろ、ナッツなどに含まれている物質ですが、餌として1回摂取しないだけでアンモニア中毒症になることもあると言われています。

 

【消化酵素】
唾液中のα-アミラーゼも、犬には少しありますが、猫には全くありません。その為、猫は、胃の中にデンプンが入ってもしばらくの間は消化を開始しません。犬は雑食能力を持つ肉食性ですが、猫は肉食性のため、デンプンを多く含む食べ物を摂る機会がなかったことを反映していると言われています。
そして、肉食性の猫は糖質(炭水化物)の消化吸収能力も低い特徴があります。犬は、小腸で単糖類の吸収速度を調整できますが、猫には調整機能がありません。これも猫は肉食性で、糖類を摂取する機会がすくなかったために、犬ほど機能が発達しなかったと言われています。

 
難しい成分名の羅列になり、少し分かりづらいかもしれませんが、人も猫も犬も「食性」による違いが身体の構造に影響をしているということをイメージして頂けたらと思います。